やっとポリオワクチンでポリオの患者さんを作ってしまうと言う危険性がなくなるのだろうか?

厚生科学審議会・予防接種部会

不活化ポリオワクチン、今年末承認申請へ◆Vol.14

早ければ2012年度中に「4種混合」使用開始、課題は「移行期」
2011年5月26日 橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省は、5月26日に開催された、厚生科学審議会感染症分科会・予防接種部会(部会長:加藤 達夫・国立成育医療センター総長)で、現在国内4社で開発を進めている不活化ポリオワクチン(IPV)の薬事承認申請が、今年末頃から行われる見通しであ ることを明らかにした。できる限り迅速に承認審査を進めていくとし、早ければ2012年度中に、DPT-IPV(ジフテリア、百日せき、破傷風、不活化ポ リオワクチンの4種の混合ワクチン)の接種が開始される予定。
同省健康局結核感染症課長の亀井美登里氏は、「経口生ワクチン(OPV)から、DPT-IPVへの 移行を円滑に進めるため、単抗原のIPVが国内で使用できるように開発を進めるべきではないかと考えている」と説明、予防接種部会の了承が得られた。現 在、単抗原のIPVの開発は行われていない。「DPT-IPVの導入時期に併せるため、開発力がある企業に打診し、できるだけ早く早期に導入できるよう、 検討している」(同省健康局血液対策課長の三宅智氏)。
単抗原のIPVが必要なのは、DPTの初回接種で最も多いのは生後4カ月、一方、OPVは生後6カ 月と、2カ月の差があるため。DPT-IPV導入時期に、「DPT接種済み、OPV未接種」の小児が約20万人になると推計される。対応策として、厚労省 は、(1)改めてDPT―IPVを接種、(2)OPVを接種、(3)単抗原のIPVを接種――の三つの選択肢があるとした。(1)ではDPTの接種回数が 過剰になる、(2)ではワクチン関連麻痺(VAPP)のリスクがある、という理由から、(3)が選択された。

第16回厚生科学審議会感染症分科会・予防接種部会は、3月11日に開催されたが、会議中に東日本大震災が発生し中断。5月26日に約2カ月遅れで再び開かれた。
「ワクチンの審査は迅速に進める」
現在、予防接種法に基づき定期接種されているポリオワクチンは、OPVで、年1、2例程度、副反応によるVAPPが生じ、問題視されている。海外ではIPVの使用が進んでいるが、日本での導入は遅れていた。最近では、個人輸入によるIPVの接種も増加している。
これまで様々な場でIPVの導入が提言され、26日の予防接種部会に報告された、「ワクチン評価に 関する小委員会」報告書でも、「VAPPの発生を防ぐために、DPT-IPV4種混合ワクチンを速やかに導入していく必要がある」とされた。(財)ポリオ 研究所が1998年から第1相臨床試験を開始、2001年には製造承認申請したが、2005年にGCP上の問題等により、承認申請が取り下げられた経緯が ある。
一方、国内4社(化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、北里研究所、武田薬品工 業)が2002年からDPT―IPVの開発検討を開始しており、ようやく今年末に薬事承認申請に至ることになる。三宅血液対策課長は、早期承認審査を求め る委員の意見に対し、「承認審査前の事前評価を実施するとともに、承認審査と並行して、ワクチンの品質の検定等についても、承認後、直ちに実施できるよう 体制を整える」などし、可能な限り迅速に進めるとした。

部会長の加藤達夫・国立成育医療センター総長。
7種のワクチン、「接種の推進」を提言
そのほか、26日の予防接種部会では、「ワクチン評価に関する小委員会」の報告書や、「これまでの主な議論の中間的な状況の整理等について」を議論した。
「ワクチン評価に関する小委員会」は、2010年8月27日から2011年3月11日まで計6回開 催、報告書をまとめた。現在予防接種法の対象になっていないワクチン7種(Hibワクチン、肺炎球菌コンジュゲートワクチン(小児用)、肺炎球菌ポリサッ カライドワクチン(成人用)、HPVワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチン、B型肝炎ワクチン)と、予防接種法の対象のワクチン2種(ポリオワク チン、百日せきワクチン)について検討。
7種のワクチンについては、「いずれも、医学的・科学的な観点から、広く接種を促進していくことが望ましい」と判断、ただし、そのための財源確保と国民のコンセンサス、実施体制など、公衆衛生施策としていかに実施していくかが課題であるとした。
また、2種のワクチンのうち、ポリオワクチンについては前述のようにDPT-IPVの導入、百日せきワクチンについては青少年層以降の対策として、追加接種の必要性などを検討する必要性をそれぞれ指摘した。
今後、課題になるのは、「ワクチン評価に関する小委員会」が必要性を指摘したワクチンについて、どう予防接種法に反映させていくかという点だ。「これまで の主な議論の中間的な状況の整理等について」は、この点も含めた構成になっており、(1)予防接種法の対象となる疾病・ワクチンのあり方、(2)予防接種 事業の適正な実施の確保、(3)予防接種に関する情報提供、(4)接種費用の負担のあり方、(5)予防接種に関する評価・検討組織のあり方、(6)ワクチ ンの研究開発の促進と生産基盤の確保のあり方、(7)その他、の7つの柱から成る。
もっとも、最終的な取りまとめをいつ行うか、メドは立っておらず、「次回の予防接種部会で方向性などが見えてくるのではないか」(亀井結核感染症課長)という状況にとどまる。

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