ペプシノゲンによる検診はかなり前から聞いてはいるが、普及するほどにはエビデンスが無いと言うことか?
「ABC検診は根拠不足」学会声明 日本消化器がん検診学会が「エビデンス足りない」
日本消化器がん検診学会の深尾彰理事長は4月8日、ヘリコバクター・ピロリによる胃炎に対する
除菌療法が保険適用となったことを受け、理事会の声明を発表した。除菌後も継続して胃癌のスクリーニング検査を行うことを勧めるとともに、一般集団に対し
て従来の検診に代えてABC検診と除菌治療を拡大させていくことに強い懸念を表明している。
学会は声明で大きく2つの点を主張している。一つは、除菌後も内視鏡検査やX線検査を継続して行う必要
がある点。除菌治療が成功しても、既に慢性萎縮性胃炎や腸上皮化生などの前癌状態にある場合は、一定の頻度で胃癌が発生すると説明。患者に対し、除菌治療
効果の限界と事後の検診継続について説明すべきと訴えている。
もう一つは、ABC検診を従来のX線検査に代わるものとして導入する考え方を「看過できない大きな問
題」と警戒する。学会は、血清ピロリ抗体と血清ペプシノゲン値の組み合わせで胃癌の発生リスクを分類するABC検診について、「実施方法が確立されたとは
言い難く、有効性を示すエビデンスもない」と説明。無計画に除菌治療が行われることを懸念する。
学会は「胃がんリスク評価に関する研究会」を設置。血清マーカーによる胃癌リスク評価の妥当性や、今後の胃癌検診の在り方について検討を始めている。