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北米

米の鎮痛剤乱用、知っておくべき5つのこと

The Wall Street Journal 2015 年 6 月 20 日 13:30 JST
オハイオ州ポーツマスの当局が回収した使用済み注射針 Josh Birnbaum for The Wall Street Journal
 米国の地方や郊外のコミュニティーで、主に注射器を使ったオピオイド系鎮痛剤の乱用によって深刻な健康問題が起きている。鎮痛剤のまん延について知っておくべき5つの点を挙げる。
1.危機の始まり
  1990年代以前は、非常に強い鎮痛剤であるオピオイド系鎮痛剤は一般的に、がんの激しい痛みを訴える患者に処方するために医師が確保していた。しかし、 90年代半ばに新たなオピオイド系鎮痛剤の販売促進が強力に進められた結果、より日常的な痛みに対してもオピオイド系鎮痛剤が広く処方されるようになっ た。鎮痛剤の闇市場も形成され、節操のないクリニックは金さえ払えば誰にでも処方薬を売った。大量に薬剤を販売することから「ピルミル」と呼ばれるこうし たクリニックの多くはアパラチア山脈周辺の州にあり、地方で多くの中毒患者が発生した。連邦政府が不正な薬剤取引の取り締まりに乗り出すと、同じくオピオ イド系である安価なヘロインが市場になだれ込んだ。
2.過剰摂取による死者が急増
  米疾病対策センター(CDC)によると、米国では2013年にオピオイド系鎮痛剤の過剰摂取で死亡した人の数は1万6235人に上り、99年の約4倍に増 えた。ヘロインの過剰摂取による死亡者数は1960人から8257人に増えた。薬物を過剰摂取するケースが頻繁に起きているため、オピオイド系鎮痛剤の解 毒剤を携帯している警官や救急隊員は多い。
3.血液を媒介にした感染症が広がっている
  多くの中毒患者は早く高揚感を経験したいため、オピオイド系鎮痛剤を液体にして注射器を使って薬剤を体内に取り込んでいる。患者は注射針を使い回している ため、感染症が広がっている。CDCによると、10年から13年までの間に米国で新たにC型肝炎にかかっていることが分かった患者の数は2.5倍に増え、 地方での増加率が特に高かった。06年から12年までにケンタッキー、テネシー、バージニア、ウエストバージニアの4州では新たに感染した患者の増加率は 4倍を超え、その多くが注射器を使った薬物使用と関連していた。インディアナ州の田舎町オースティンでは170人がエイズウイルス(HIV)に感染、他の 地方でもHIVが広まっている可能性があるとの懸念が生じている。
4.地方のコミュニティーは危機への備えができていない
  大都市は何十年間も、注射器を使った薬物の乱用や血液を介した感染症に対応しているが、小さな町はその準備ができていない。薬物乱用の治療を行うクリニッ クや医師はおらず、中毒患者が消毒済みの注射器を入手できる「ニードル・エクスチェンジ」プログラムも行われていない。地方では人口が密集していないた め、公衆衛生当局者が病気の追跡や封じ込めを行ったり、治療を必要とする人が医療サービスを受けたりすることは都会と比べ容易ではない。
5.薬物まん延による損失は大きい
  中毒患者数や薬物の過剰摂取による死者数、血液を介した感染症の患者の数を見れば、どれくらいの人的被害が出ているかは既に明らかだ。財政面での損失も深 刻なものになるだろう。C型肝炎は治療しなければ肝硬変や肝臓がんに進行する可能性があり、最終的には肝臓移植が必要になるかもしれない。新たに開発され た治療薬の治癒率は高いが、治療費は患者1人につき8万ドル(約980万円)以上かかることもある。HIVに感染して一生涯、治療を受け続ければかかる費 用は40万ドルに達するかもしれない。労働生産性が下がれば、地方経済の成長にブレーキがかかる恐れがある。

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