最初に流行した沖縄でまた新型インフルエンザが増加し始めているのは不気味です!

1/13号 5週間連続減少も、「B型」「再増加」に注意

SonetM3  2010年01月13日
 国立感染症研究所感染症情報センターが1月12日に公表したデータによると、インフルエンザの定点当たり報告数は、第53週(12月28日から1月3日)は10.22(感染研のホームページはこちら)。
 流行の大半は、新型インフルエンザですが、第48週(11月23日から11月29日)がピーク(定点当たり39.63)で、第49週から5週連続の減少です。第53週の報告数が、第52週の19.63よりも大幅に減少したのは、年末年始で学校が冬季休暇だったこと、定点の医療機関で休診日が多かったことなどが挙げられます。
 もっとも、油断は禁物。46都道府県で前週よりも減少しているものの、唯一沖縄では第50週から増加が続いており、第53週では定点当たり54.88。沖縄では、全国に先んじで新型インフルエンザの流行が見られ、2009年の第34週(8月17日から8月23日)がピーク(定点当たり46.31)でしたが、それを上回っています。
 1月12日に開催された感染研の「メディア意見交換会」で、感染症情報センター主任研究官の安井良則氏は、「沖縄が再流行している理由や今後も流行が続くかは不明」とした上で、「12月までの流行と年が明けてからの流行は、学校の休みが入ることから、もう一回リセットしてスタートすると考えていい。いったん流行が収まった地域でも、また流行するのは不思議ではない」との見方を示しました。
 さらに、従来はこれからがインフルエンザの本格的流行時ですが、安井氏は、「今のところ、季節性インフルエンザが増加する傾向は見られない。世界的に見ても、中国の北部で、A香港型が流行しているくらいで、日本国内にA香港型が入ってきて流行するかは不明。ただ、従来も新型インフルエンザが流行した場合、A型とは交代したが、B型は入れ替わらない。B型の流行は例年この時期は少ないが、3月にかけて流行する」と述べ、B型の今後の流行に注意を促しました。
 さらに、新型インフルエンザの流行に伴う超過死亡ですが、「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」(東京都および政令指定都市の19大都市で実施)によると、保健所からの報告に基づくデータのため報告の遅れがあるとしながらも、現時点では超過死亡は見られていません。
 そのほか、「メディア意見交換会」では、主任研究官の大日康史氏が、下記の二つのサーベイランスについて報告したので、ご紹介します。いずれも厚生労働科学研究で実施しているものですが、参加・利用希望があれば、感染研で受け付けるとのことです。
◆ 薬局サーベイランス(感染研のホームページ)
概要:全国の薬局、約3650カ所(1月11日現在)で実施。今年度末までには、約4000カ所を目指す。参加薬局における、抗インフルエンザウイルス薬の処方せん枚数を自動的に集計するシステム。データは国や都道府県、保健所、感染症対策関係者、参加薬局などにフィードバック。一部は感染研のホームページに公開。
メリット:翌日には前日のデータの集計が可能であり、週単位ではなく、日単位の変動を把握することが可能(「感染症発生動向調査」は1週間ごとの集計だが、薬局サーベイランスは毎日集計し、前日のデータは翌日7時に集計)。
デメリット:参加薬局は、都道府県による差がある。全国平均では、「感染症発生動向調査」と薬局サーベイランスの相関係数は0.98と高いが、薬局数が少ない都道府県では相関係数が低いところもある(0.7 - 0.85)。
◆ 学校欠席者情報収集システム(感染研のホームページ)
概要:鳥取、岐阜、島根、香川、新潟、茨城、佐賀、千葉、宮城(仙台市を除く)の9県と福岡市で実施。東京都(都立・中野区)、埼玉県(所沢市)、栃木県(小山市)では一部導入。
 インフルエンザをはじめ、学校保健に関連する感染症の発生状況、学級閉鎖などの状況を各学校が入力、地域別などでデータ分析・把握できるシステム。IDとパスワードでデータを管理し、関係者に情報を還元しているが、自治体の判断で一般への公開も可能。

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