三価から四価に上がるから値上げと言うが、たとえば子宮頚癌ワクチンのサーバリックス(二価)とガーダシル(四価)ではほとんど値段は一緒だったのに本当にそんなに製造原価が違うのだろうか?

今季は大幅値上げへ インフルエンザワクチン

インフルエンザ予防接種の時季になったが…=東京都内の診療所で
写真
 インフルエンザの流行を前に、今シーズンのワクチン接種料金が、昨年より大幅に値上げされそうだ。ワクチン効果を上げようとしたために製造原価が 上がり、医療機関への卸価格が、昨年の五割増し程度になったためだ。医療現場からは「効果が上がるどころか、接種する人が減り、流行が起きやすくなるので は」と危惧する声が相次いでいる。
 「本当に困ります」。東京都奥多摩町の診療所長、片倉和彦医師(54)は心配する。医薬品問屋からの卸価格は昨年まで一本(二人分)千数百円だっ たが、今年は昨年の一・五倍近い二千数百円に値上がり。地域には高齢者施設や知的障害者の施設があり、接種料金は相場より安めの一回二千三百円で設定して いたが、今シーズンは五百円値上げしないと難しいという。
 「高くなると、接種を控える人も出てくるだろう。流行するのではないか」
 インフルエンザワクチンはこれまで、季節的に流行を繰り返すA型ウイルス二種類と、B型ウイルス一種類に対応した三価ワクチンだった。このうち、 B型のワクチン株(ワクチンのもととなるウイルス)は毎年、専門家による流行予測に基づき、二種類あるうちのどちらか一方を選んでいたが、近年、二種類が 混合したウイルスの流行が続き、予測が難しい状況になった。
 このため国は、国立感染症研究所での検討結果に基づき、B型の二種類にも対応した四価ワクチンへの変更を決めた。厚生労働省の担当者は「昨年まで より防御範囲が広くなり、重症化が防げると言われている」と説明する。米国などは既に四価ワクチンに移り、世界保健機関(WHO)も推奨するなど、移行は 世界的な流れだ。
 ワクチンを製造する国内製薬会社は四社のみで、希望小売価格は各社が自由に決められる。ただ、ワクチン株が四種に増えたことで、製造上の原材料コストは増える。第一三共の広報担当者は「製造原価上昇などの理由で、希望小売価格を上げた」と説明する。
 インフルエンザワクチンは、完全に感染を阻止する効果はないが、予防や重症化防止に一定の効果があるとされている。
 重症化のリスクが高い六十五歳以上の高齢者は定期接種に位置付けられている。費用の助成をしている自治体がほとんどだが、今後、自己負担分が増え る可能性も。高齢者以外は任意接種のため、子どもへの助成がある自治体は少なく、親からは「子どもは二回接種が必要。出費が痛い」という声が上がる。
 NPO法人「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろうの会」理事で、小児科医の菅谷明則医師(東京都)は「近年は、A型ウイルス へのワクチン効果が薄れているという指摘があるが、今回はB型への対応だけ。価格上昇分に見合ったインフルエンザ全体に対する効果は期待できない。ワクチ ン代をもう少し抑えてほしかった」と疑問を呈する。高齢者の接種率は50%前後だが、任意の高齢者以外の接種率はもっと低いとみられる。「接種率を上げる には、国からの公費負担を増やし、できれば無料にする必要がある」と強調する。
 開業医らでつくる全国保険医団体連合会も「接種率の大幅な低下につながる危険性がある」として九月下旬、塩崎恭久厚生労働大臣あてに要望書を提出。ワクチンの卸売価格を調査し、価格上昇分は国庫負担で補填(ほてん)し、接種する人や医療機関、自治体の負担軽減を求めた。
中日新聞Web 2015年10月5日 (砂本紅年)

このブログの人気の投稿

恐ろしい!またまた「ステトスコープ・チェロ・電鍵」さんのブログより

国立感染症研究所の安井良則主任研究官によれば「来週には全国的な流行と判断される状況」との事です。

あきれ果てる!!また「ステトスコープ・チェロ・電鍵」さんのブログから引用。