感染症情報センターのコメント

2010年度インフルエンザ抗体保有状況調査

-速報第1報-
(2010年12月7日現在)
コメント

 A型インフルエンザについては5-9歳群から20代前半の年齢群の抗体保有率が他の年齢群と比較して高かった。これは例年みられる傾向であり,これらの年齢群は学校等での集団生活によりインフルエンザウイルスに曝露する頻度が高く,これまでの流行の結果を反映していると考えられた。一方,B型についてはビクトリア系統,山形系統ともに,それぞれ成人層である35-39歳群と20-24歳群に抗体保有率のピークがみられ,A型とは異なる結果であった。この理由については不明であるが,それぞれの系統がいつ,どのような年齢層で流行したか等について,過去の流行状況についても総合的に検討する必要がある。
 今シーズンは2010年12月7日時点ですでに,茨城県の小学校においてインフルエンザウイルスAH1pdm(インフルエンザA/H1N1 2009)による集団発生が報告されており1),また,インフルエンザ様疾患発生報告(学校欠席者数)によると,2010年10月24日から11月27日の期間に学級閉鎖を実施した学校数は82校,学年閉鎖を実施した学校数は25校,休校を実施した学校数は14校と報告されている2)。病原微生物検出情報による今シーズンの亜型別分離状況は,2010年第36週から第48週(12月2日現在)においてA/H1pdm亜型が126例,A/H3亜型が321例,B型(ビクトリア系統)13例,B型(山形系統)2例であり3),A/H1pdm亜型とA/H3亜型が混在し,現時点ではA/H3亜型の方が分離報告数は多い。
 本調査の結果から,抗体保有率が低い年齢群においては,本格的な流行シーズンとなる前にワクチン接種等の予防対策が望まれる。

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