「全国で一生懸命働いている仲間を裏切ることになる」その通りです。頑張って下さい。

中央社会保険医療協議会

「全国で一生懸命働いている仲間を裏切ることになる」
中医協診療側7人が会見、「意見書の調停不調」の理由を説明
2009年12月9日 橋本佳子(m3.com編集長)
 中央保険医療協議会の診療側の7人全員は12月9日、総会後に記者会見を開き、中医協として次期診療報酬改定に対して意見書を提出できなかったことについて、「大変残念な結果」とする声明を公表した。
 山形大学医学部長の嘉山孝正氏は、「我々は、医療費を国際水準にするため、診療報酬全体の引き上げを要望したが、支払側は我々の意見を一切認めなかった。今回、全体の引き上げがなければ、医療崩壊はさらに進行する」と、調停が不調に終わった経緯を説明した。
「調停不調」に終わった中医協後の会見には、診療側7人全員が出席。
「一時は総会の席を立つことも考えた」
 12月4日の中医協総会で提出された案について(『「医療費底上げ」明記を求め診療側ゆずらず、意見書合意せず』を参照)、「医療が厳しい環境にある」という認識では、診療側と支払側で意見が一致。しかし、「診療報酬の引き上げを行う環境にはなく、限られた財源を効率的かつ効果的に配分するよう見直していくべき」とする支払側と、「診療報酬の大幅な引き上げによる医療費全体の底上げを行うべき」と主張する診療側の意見が対立した。
 公益側は9日の中医協総会で、双方の意見を取り入れた修正案を作成、調停を試みたが、その修正案も「診療報酬の引き上げ」は中医協の総意ではなく、診療側の意見という位置づけにとどまった。この点について、診療側は最後まで譲らなかった。
 全国公私病院連盟副会長の辺見公雄氏は、「社会保障審議会の基本方針は両論併記(『「改定の基本方針」、社保審の二部会で了承』を参照)。それでは全く意味がなく、従来と変わらない。また同じことが続くのか」との問題意識を示した上で、調停が不調に終わったことについて、次のようにコメント。
 「診療報酬の引き上げに対しては、財務省の圧力があり、苦労している厚労省、民主党への支援もあるが、何より医療界のメッセージの意味がある。この両論併記をのんだら、全国で一生懸命働いている仲間を裏切ることになる。中医協は何をしているか、我々の存在価値が問われる」(辺見氏)。
 京都府医師会副会長の安達秀樹氏も、「従来から両論併記で出されてきたことに危惧と限界を感じていた。社会保障費の2200億円問題が消えた今、新たに我々として医療費の引き上げを提案すべきだと考えた。公益側はもともと妥協案しか出さず、さらに『中間的な妥協案』を出してもらい、それを不同意として総会を退席するというやり方が一番分かりやすかったかもしれない。しかし、この会見で同じ役割を果たした」と述べた。
 今回は「意見書を提出しない」という結論になったが、一時は診療側が総会を退席、会議を不成立とする選択肢もあったわけだ。この点について、全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は、「今、中医協の審議は遅れている。ここで退席して審議がさらに遅れたら、4月改定ができなくなる可能性が生じ、医療側にもっと迷惑がかかると考え、非常に悩み、躊躇した」と説明。
 「調停不成立」と「総会の席を立つ」、二つの選択肢
 本来、中医協は改定率を提言する場ではなく、厚労大臣、社会保障審議会の基本方針を受けて、個々の点数を議論する立場にある。社保審は12月8日に取りまとめを行った(『「改定の基本方針」、社保審の二部会で了承』を参照)。
 しかし、現在の体制で行われた過去2回の改定では、中医協として改定に関する意見書をまとめた。前回改定にも携わった西澤氏は、「前回改定は、診療報酬本体だけはプラスになった。一号側(支払側)と二号側(診療側)の意見が対立したが、公益側が調停し、『本体部分についてはさらなるマイナス改定を行う状況にない』としたことが影響しているのではないか」と話し、意見書は改定率への影響があるとの見解を示した。
 前述のように、「調停不成立」と、修正案を出し、診療側が拒否するという二つの選択肢があった。結果的にどちらが効果的だったのか――。
 その検証は難しい。この10月末に新たに中医協委員になった、嘉山氏は、「私は中医協の委員を引き受ける時に、国民に何の益をもたらさない審議会では意味がないと考えた。アルゴリズムが変わらなければ、日本は変えられない」と指摘。また9日の中医協総会が途中、中断して、公の場ではなく、公益側と支払側、診療側が意見書についての議論を行った点について、「日本の執行部が中医協委員だった時代は、事前に打ち合わせをやって、あまり時間もかからずにできたのだろう。しかし、我々は国民の立場で話をしている。慣例なのかもしれないが、本来なら公の場で議論すべきだった」と語った。今回の混乱に現れているように、中医協の在り方が変わったと同時に、両論併記の基本指針をまとめた社会保障審議会も含めて、診療報酬改定プロセス全体を見直す時期に来ているのは確かだ。

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